今となっては社長と役員。
出会いやそれぞれが思うそれぞれの印象を教えてください。

  • 社長

    上杉が山梨で高校教師をしていた頃、年末に帰省している時に話をしたのが最初の出会いだったかな。当時、彼は国公立の4年制大学を卒業し、「学校の先生」という立派な仕事をしている中で、ただなんとなく仕事をして、ただなんとなく親孝行できるようになりたくて、ただなんとなくの未来予想図というか「理想論」を口にしていたのを覚えています。その中で、彼の考える未来予想図とは程遠い毎日を送っていて、その話を聞いて、私が“バッサリ”と意見したことがきっかけだったと思います。「とりあえずなんとなく適当にやっていても、将来は君の理想通りにはいかないぞ。」と…笑

  • 上杉

    そうでしたね。正直、衝撃でした。「普通なら…」という概念でいうならば、初対面で、バッサリと核心に突いた意見を言われるなんて思ってもいませんでしたし、今までの私の出逢いの中で、なんとなく話を合わせて、共感してくれる方が多かった中で、「何なんだこの人は!!」という印象でした。でも、もう一方、直感で感じたことは、「この人は裏表のない大人だろう」ということ。それまでにもたくさんの先輩方の助言や、多くの経営者と会って話を聞いてきたんですよね。とにかく経営者にもいろいろといて、なかにはカッコいいことだけをを言う人もいたんですが、神谷社長はそうではなかった。思いが本気で伝わったから、「信用できる、ついていってみたい」と思い、惹かれました。この人に乗っかりたいと、経営者を信じられた最初の経験が、社長でしたね。

  • 社長

    今思うと、図々しくも初対面で、バッサリ否定…いや、助言(笑)をしましたね。彼のような絵にかいたような優秀な学歴の人でも、社会に出たら…いつの間にか思い描いていた希望や理想が薄れていき、なんとなく「そうなれたらいいな」レベルになっていきながら、日々をこなす様になっていくのは、仕方のないことだとも思います。その中で、「What?How?」どんな仕事をどのようにしているのかは答えられても、「Why?」何故その仕事をしているのかが明確じゃない人は多い。彼はその典型的な人間で、毎日なんとなく頑張っているのに、「何故」頑張りたいのかが定まっていない感じの印象でしたね。どうせなら、そんな彼の「Why?」を実現性のあるものにしたいというのと、それを引き出せた時の可能性を見てみたかったといった感じですかね。

代表取締役社長神谷明美
本音は、「ネジのはずれた楽しい人間」が欲しいです。

それぞれがイメージする求める人物像とは?

  • 上杉

    社長がイメージする求める人物像って、どんなものですか?

  • 社長

    正直こうじゃないどダメだっていうのはないかな。どんな方でもOK。まずは会ってから。その方のキッカケ、理由、過去の経歴(重要視はしていない)は聞いてみたいけどあくまでどんな環境や背景の中で今のその人が出来上がったのかが気になるくらいで、基本的には受け入れたいと思っている。少し表現は良くないけど、当社は社会に出てからの「大人の更生施設」のような、その方の変われるキッカケになるような、その方の潜在能力を引き出してあげられる環境、存在でいたいかな。

  • 上杉

    そうですね、その方の核である、人間力や器を良い方に引き上げて、変えてあげたい。私はそれができなければ当社がダメだったと考えてしまうと思います。私の場合は、こういう人物が良いだろうというのがあって、例えば変わりたい、夢がある、コンプレックスがあるなど、どうにかこうにか変わりたいと思っている方。キッカケは何でも良いんです。『~したい』こんなことしてみたい、こんな人になりたいみたいな、想いややる気を買いたいですよね。

  • 社長

    それで言うと、田中(※先輩インタビュー参照)の場合がそう。営業経験はなく、飲み屋のアルバイトやボランティア(福祉)をやっていたそうで、当社に来た理由は「自分の弱い部分と向きあいたい」「経験は無いけど営業にチャレンジしてみたい」。私としてはそれだけで十分。

  • 上杉

    彼の入社時から私が見てきた中で、当時の彼の口癖が「変わりたい、稼ぎたい」…でも、中途半端で口だけの印象が強かったですね。それでも「変わりたい」と常に思い続けた。そんな彼に私たちは 道を教え、レールを用意。営業の経験もなかった彼ですが、努力して力をつけ、今では主任。“変われた”っていうのが、自分のことのように嬉しいです。

  • 社長

    そういうケースって、ウチは多いよね。実は入社する人間の多くが営業未経験。これは持論だけど、“できる営業マンはプライドが高い”。偏見や先入観、経験により、決め付けをしてしまうことが多く、諦めが早い印象があるから。だから当社は、できる営業マンを即戦力にというよりも、素直なメンバーとチームを作っていこうという考えにしているよね。そこに商材のこだわりはなく、“人”に特化した会社を目指しているのが、私たちの考え。

執行役員 社長室室長
上杉祐司
当事者意識の高い方と一緒に働きたい。

会社に必要な人材とは?

  • 上杉

    社長はどういう人材が必要だと思っていますか?

  • 社長

    私や各役員で考えは異なると思うけど、私は「与えたいという原動力がある方」を必要としている。人間、誰もが自分が可愛いと考えてしまうもの。できる自信のある方は個人だけでもある程度までは行けるんだけど、そういう方は途中で折れてしまうことが多い…うちではよく水車に例えて「自分歯車と他人歯車」っていう表現をしてるんだけど、自分のため【だけ】の人は、つらくなった時に、自分を甘やかしたくなってしまって、踏ん張れない時がくる。でも、誰かの為に…誰でもいい、家族の為に、恋人の為に、仲間の為に、後輩の為に、その誰かという【他人歯車】があることで、勝手に【自分歯車】が動き出す。その原動力の可能性ってとてつもないものだと思ってて、例えば神風特攻隊や明治維新で戦った先人たちは、誰かのため、後世のために戦った。そんな自己犠牲の精神を持つ人間は今となっては少ないと思われがちだけど、生来日本人が皆持っているもので、キカッケがないだけだと私は思っていて。それも、社会に出てから教えられる機会がないために分からないだけ。誰もが奥底に秘めているもの。そういう精神がある方がいると周りに与える影響も大きいんじゃないかな。誰かに言われて、やらされる感覚ではなく【自主的貢献意欲】のある人材こそ、会社の核になっていくだろうからね。

  • 上杉

    そうですね。私は、当事者意識の高い方と一緒に働きたいと思っています。私自身、会社、社員は家族という気持ちがあります。皆が皆、より良くしていこうという気持ちの輪が広がれば良いなと。それに、人任せではなく、皆で経営していける組織になれば良いですね。自分で事業を探せる、見つけられる、気付ける…そうすると、何事もスピードアップに繋がるはずですから。

社員教育、育成について。

  • 上杉

    来るもの拒まずという考えだと思いますが、どんな風に育てようというイメージはありますか?

  • 社長

    こうしたいっていうイメージは特にないけど、最低限身につけて欲しいものはあるかな。なので、必ず理念研修というものを定期的に開催し、そこで会社の考えや大事にしていることを知ってもらう。例えば、行動指針(十教訓)やモットー、社会人としてだけではなく、人として当たり前の道徳やモラルを再度教えていくようなものだけど、実は分かっているようで分かっていない、できているようでできていないことって多いと思うから。だから、口うるさく教えてる。誰もが知っていると思うし、なにも難しいことは言っていない。「知ってる」と「できる」の違いを伝え続けて、当たり前のことを当たり前にできる人になってほしいかな。

  • 上杉

    確かに、そこは徹底していますね。それぞれやり方や伝え方は違えど、社長や役員、各リーダーが伝えていることは繋がっており、行き着く先は一緒だと私は思っています。個人的には、再確認の意味でも、毎月一回の全体会議ですり合わせることを大切にしています。例えば、あいさつ、物事に感謝、親孝行、自分にベクトル…すべて当たり前のことを違う角度で示していく。私も社長同様、スキルや仕事の進め方を皆にこと細かく言うことはないですね。グラジストとしては、最低限持つべきものを備えていれば、あとは自分のやり方でOKということですね。

この先の会社の展望は?

  • 上杉

    あまり先のことを聞いたことはないですけど、どう思っています?

  • 社長

    私個人の意見としては、焦って会社を大きくしたいと思っていないかな。それは役員や社員が思ってくれることで、それに応えていければいい。

  • 上杉

    そうですよね。でも将来的にはやはり会社を大きくしていきたいです。人が増えれば、事業部も増える。一人ひとりがやりたい事業を任せられる、先頭に立ってやれるようにしたいです。各事業部が思い描くビジョン・夢を形にできるような、そんな組織にしていきたいです。そのためにも、事業を任せられる人材が育って欲しい、育てないといけない。営業力だけに特化した会社ではなく、適材適所で幅広い種類の人材が活躍できる会社が理想です。そのために受け皿を多く作れるようにすることがこれからの課題です。それも10年以内には実現させたいです。

  • 社長

    なるほどね。大きくするために大事なものを蔑ろにして突っ走るつもりはないけども、結果として必要なタイミングで必要な形で会社が大きくなることはもちろん歓迎する。とにかく、この先も「トライ&エラー」の繰り返しだと思っている。ただ、ひとつだけ。理想型は、“遊びながら仕事をして、仕事しながら遊ぶ”みたいな本気でワクワク出来る会社にしたいってこと。あれやこれやと出てくる理想、要望など、社員が求めるものに対して、しっかり答えるのが自分の役割だと思っているから。皆は好きなように思い描いてほしい。

今後のグラジストの課題について。

  • 上杉

    まだまだやらなければならないことも多いのが現状です。当社の課題はどう捉えています?

  • 社長

    課題ね、やっぱり更なる福利厚生の強化は今後に切り離せない課題だろうね。でも、ただ単に「従業員満足度」を追求するのではなく、「ワークエンゲージメント」にこだわりたいかな。“心理的安全性”安心して働ける環境の元、ワクワクできる仕事をしたくなる環境創りに力を入れていきたいね。

  • 上杉

    そうですね。でも、着実に前進はしています。あとは、更なる「賛同してくれる」人材ですね。これに関しても、自ら手を上げてくれる次期役職になるようなリーダーシップのある人間がもっともっと出てくることが理想ですね。そのためにも、これから入社する方には、成長意欲が高い方を求めています。共に会社を大きく、会社と一緒に成長できる方と働けることが、最近の楽しみのひとつなんです。

  • 社長

    確かに人材についてはそう。当事者意識を持つ人間が増えていかないといけないだろうね。役職だけではなく、次なるリーダーシップを持っている人間が増えていかないと、会社は成長しないはず。代表の私以外で会社にとって責任を持って意思決定ができる人間がもっと出てきて欲しいかな。ただ、想いを背負える人間じゃないとダメだろうね。厳しい見方かも知れないが、やりたい割に背負いきれるキャパの無い人間がまだまだ多い気がする。私は、言葉に対しての責任を取る自信がある。だから、皆も背負える人間を目指して欲しい。なんだかんだと言っているけど、本音は、「ネジのはずれた楽しい人間」が欲しい。そんな方と出会いたい。